Sd.Kfz.171

PANTHER Ausf.A Early Type

PART-1


1941年、ソ連へ進攻したドイツ軍は破竹の勢いで進撃を続けますが、モスクワ前面で補給線が延びきり、ロシアの激寒の冬の訪れと共に停滞。翌年、作戦はカフカース方面の戦略的地域確保へ変更され、進路を南方へ取るも、「スターリングラード」の名前に翻弄され、思わぬ大敗北を帰してしまいます。1943年のドイツ軍はこのような形勢を反映して、再びドイツの力を誇示するべく大規模な「ツィタデレ」作戦を計画したのでした。

パンター戦車はソ連進攻直後から報告されていた敵の新型戦車への対抗として計画され、これまでの戦車開発研究と敵戦車T34の研究を反映させながら、一年という実に短い期間で設計されました。時まさに1943年。「ツィタデレ」作戦はパンター戦車などの新兵器完成を待つかたで延期を繰り返し、また、充分な試作テストを経ぬまま実戦へ投入されるパンター戦車。装備車両のカラーリングをこれまでと一新して初夏の戦場に相応しい色合いで挑むドイツ軍。しかし、作戦は失敗。以後、戦争の主導権はソ連が握ります。

パンター戦車はドイツ軍の起死回生を願って生まれるも敗戦への道を歩んでいく、そんな悲運の戦車なのです。


●ドラゴン 1/35

ドラゴンの新作、パンターA初期型です。キューポラの形で形式判断する新考証のA型ですね。実にカッチョ良い。キットの出来具合も完璧。もうやること無いですね。そこで、やっても無駄とされていた、不毛の工作にチャレンジしてみました。エンジングリル内部の工作です。実車写真と図面を参考にそれらしく作りました。一応、先のことを考えてレジンキャストした複製品を組みこみました。さて、効果の程は。完成してからのお楽しみですね。たぶん、ネットを付けると見えないんだろうなあ。

ドラゴンのキットはサスペンションのスイングアームがシャシーと一体成形されています。可動にこだわるのであれば、タミヤのキットと二個一にするのがベスト。でも今回は無可動のままでOKとします。どうせ転輪でスイングアームは見えませんから。なんだかエンジングリルの工作とは矛盾するけど、良しとします。でも誘導輪のアームはキットを改造して可動するようにしました。これは可動式履帯を使ったときに張り調整をするため。以前ヤークトパンターで試みて非常に効果的、というか、楽だったんです。リアルな張りを再現するのがね。こういう苦労は後で報われるハズです。

キットは非常に細かな再現がなされていますが、車体接合部の溶接表現はさすがに省略されているので、エポキシパテで造形してやります。まあ、後でコーティングするので、それほど神経質に再現しなくてもいいのかもしれませんが。

車体を組みつけてから、ペリスコープを付け忘れたのに気が付きました。かなりピンチですが、とりあえずペリスコープガードを作り直して、気持ちを落ち着かせます。キットのパーツは成形上仕方ないのですが、形状がイマイチです。ここに手を入れるとかなり見栄えが良くなると思います。さてこれから、ペリスコープを手品のようにして取り付けなければなりません。トホホ。

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